大阪マルビル・大阪第一ホテル屋上庭園の巻

2003年8月30日に完全独立型チャペルが誕生した大阪第一ホテル。このチャペルが誕生するまでには、幾度かに渡るリニューアルが行われてきました。時とともに変化するニーズをとらえ、この屋上がどのような変遷を辿ってきたのか、その目的やきっかけ、現在の状況を株式会社大阪マルビル・大阪第一ホテル 営業企画 課長の筒井 紀彦さんにお伺いしました。インタビューは、東邦レオ株式会社 根来 秀行です。

根来

7階屋上に誕生した、ガーデンチャペル“ル・ヴェール”

宜しくお願いします。7階屋上に誕生した、ガーデンチャペル“ル・ヴェール”は、外壁の白が青空に映えて、とても美しいですね。もともとこの屋上は挙式スペースとして利用されていたのですか?


筒井さん

いえ、実はここは、ビアガーデンとして夏場に利用されていました。しかしその人気が少しずつ落ちてきたため、10年以上前から挙式スペースとして利用しています。

根来

屋外での挙式はやはり人気が高いですね。当時は、どのようなレイアウトになっていたのですか?

筒井さん

そうですね。当初は、ビアガーデンの頃と同じ床タイルの上に、イスを置いて、バージンロードを敷いていました。周囲も、ビアガーデンの時に使っていた外周の庭をそのまま利用しています。その後、5年程前には、歩径路を中心にウッドデッキを敷くリニューアルを行いました。

初期階段の屋上チャペル / ウッドテラスを敷設した屋上チャペル
   初期階段の屋上チャペル ウッドテラスを敷設した屋上チャペル
根来

一昨年(2002年)、屋上チャペルに芝を導入するということで、私どもにお声を掛けて頂き、芝生の施工を行いました。この場所に芝生を導入するきっかけは、どのようなものだったのですか?

筒井さん

ウッドデラスが敷かれていたチャペルを、もっと魅力的にするには、どうしたら良いだろうかということで、思いついたのが「芝生」でした。このホテルは、梅田の駅前に立地していますので、地の利の良さはありますが、街はコンクリートに囲まれて無機質な感じがします。その無機質な空間の中に、癒しのスポットになるような、ホッと出来るポイントになればと思っています。

ウッドデラスが敷かれていたチャペル

根来

もともとの床の状況
もともとの床の状況

挙式会場の決定要因には「こういうところで挙式をしたい」という、お二人のイメージが大きいですね。タイルの上を芝生にすることによって、お客様の声に変化がありましたか?


筒井さん

まず第一声が「ワーッ!」と驚いて頂けるようになりましたね。梅田だからこその意外性というのがあります。しかもそれが空中というか屋上にあるということもポイントだと思います。7階に上がったところに庭園があり、全面に芝生が広がっているわけですから。意外性と驚きが大きいと思います。

根来

挙式をされた方の反応はいかがですか?

筒井さん

リニューアルで ドレスがに映える緑に
リニューアルで
ドレスがに映える緑に

大変喜んで頂いています。特に写真映りが格段に良くなりました。青空と、芝生の生き生きとした緑と白のウェディング姿は、とても映えますね。スタジオなどの人工的な光よりも、屋外で撮るほうが写真映りは良いようです。


根来

でもそのためには、この芝はいつでも元気でないといけないですね。

筒井さん

普段の時期の生育もさることながら、問題だったのが冬の対策です。今回利用している高麗芝では、冬枯れしてしまい色が茶色くなるとお聞きしていました。冬はシーズンオフでほとんど挙式の利用はないのですが、それでもお客様は下見で来られることがあります。1年中緑を保つ方法について、ご相談しましたね。

根来

はい。高麗芝の上に西洋芝の種子を蒔くオーバーシードという技術を利用して、冬でも緑豊かな芝生を維持することが出来ました。

筒井さん

やはりその時の見た目、印象はとても大事です。「今は確かに枯れた茶色ですが、お客様の挙式される頃には、緑になりますよ」というふうに口で語るよりも、見て頂いた方がより説得力がありますね。冬場の時期に、扉を開けると緑の芝生空間が広がるのには、皆さん驚かれていました。

根来

今回はリニューアル工事ということで、芝生の植栽基盤には「エコグリーンマットシステム」を利用しています。軽くて建物に荷重負担を掛けないことと、50cm角のマットタイプで、部分補修が容易に出来るフレキシブル性が魅力です。

100%リサイクル素材で
出来ている エコグリーンマット / 上層に敷き均される 人工土壌「ビバソイル」
100%リサイクル素材で
出来ている エコグリーンマット
上層に敷き均される
人工土壌「ビバソイル」
筒井さん

そうですね。植え付け当初はジョイント部分の目砂が気になりましたが、すこし時間が経つと分からなくなりましたので、まさかこの芝生が区切られているマットの上に植栽されているとは思えないでしょうね。今まで、目立つような枯れというのもありませんでした。

根来

そしてさらなるリニューアルとして、独立型のチャペルが出来たわけですね。

筒井さん

はい。屋外では、雨が降ったとき、風が吹いたとき、また暑い時期、寒い時期で残念ながら挙式が出来ないということがあり、これが長年私達の懸案事項でした。いつでも安心して挙式が行えるようにするためにも、完全独立型のチャペルは必要不可欠でした。段階的ではありますが、お客様の声を聞きながら、この屋上は着実に魅力あるスペースに変わってきたと思います。

根来

ご来賓の方々から「来て良かった」「こういう席に呼んでもらえて、ありがとう」と言われるのは、新郎新婦にとってとてもうれしいことだと思います。そこには、お二人の準備やスタッフの方々のご尽力があると思いますが、みなさんをお迎えするスペースというのも大変重要な役割を果たしているのですね。貴重なおはなしをどうもありがとうございました。

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大阪マルビル・大阪第一ホテルに天然芝生空間が出来るまで
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